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東邦運輸株式会社様

スカニアがもたらす多面的な効果。環境対策から人材育成まで企業価値の向上に貢献

環境負荷の低減を目指すなか、スカニアの導入による効果を感じているという「東邦運輸」。採用面やドライバーのモチベーション向上にも、スカニアは貢献していました。

愛知県に本社を置く東邦運輸株式会社は、建材を中心に、自動車関連の部品や設備など多様な輸送を手がけています。物流倉庫の各種業務を担う東邦ロジスティクス株式会社との2社体制で、輸送から倉庫内作業までのサービスをワンストップで提供する総合物流企業として成長を続けてきました。2016年に2台のスカニアを導入してから段階的に台数を増やし、すでに所有する10台に加えて、現在は2台が登録待ちの状態です。

 

今回は、東邦運輸株式会社 常務取締役の松下 和宏氏と、ドライバーの上原 拓也氏、専徒 剛氏、磯部 吉宏氏に、スカニアがもたらした効果についてお話をうかがいました。

配送から倉庫作業までワンストップでサービスを提供

そもそも、どのような経緯でスカニアを導入することになったのでしょうか。常務取締役の松下氏は、地域で手厚いサポートが受けられることが決め手の一つだったと語ります。

東邦運輸株式会社 常務取締役 松下 和宏氏

ーー御社の事業についてお聞かせください。

(松下氏)  2社体制で事業を展開しており、東邦運輸が輸送に特化したサービスを提供し、東邦ロジスティクスが出荷作業やフォークリフト作業などの物流倉庫に関連する業務を担当しています。

 

グループ全体の従業員数は約100名で、東邦運輸が30名ほど、東邦ロジスティクスが70名ほどです。もともとは1社体制でしたが、10年ほど前に事業規模の拡大に伴って分社化しました。会社名に「運輸」が付いていると作業系の仕事が少ないイメージを持たれるため、より事業内容に即した体制に整えました。

ーー具体的にはどのような輸送を手がけておられますか?

(松下氏) 主力は建材の輸送です。住宅メーカー向けの外壁材などを、工場から建設現場まで配送しています。そのほか、名古屋港での輸出入に関連する輸送や、自動車用アルミ材の輸送、自動車の塗装ラインなどの設備輸送も手がけています。

 

創業当初は建材輸送が中心でしたが、現在ではお客様の輸送ニーズに合わせ、柔軟に対応できる体制を整えています。ドライバーを特定の輸送に固定せず、3カ月ごとにローテーションを組んで、さまざまな経験を積めるようにしています。

ーー御社では5人1組のチーム制を採用されているそうですね。

(松下氏)  はい。トレーラーや大型車両の区別なく、5人で1チームを組んでいます。ドライバーの仕事は基本的に一人作業ですが、誰に相談していいかわからないという状況を避けるため、チーム内で問題解決や相談ができる体制を作りました。各チームにリーダーを置き、新人ドライバーのフォローから、技術面の共有、安全運転の意識向上まで、様々な面でチーム単位での成長を促しています。

 

特に最近は、チームの力を強くしていこうという方針で取り組んでおり、新しく入ったドライバーでも、チームの中でしっかりとサポートが受けられる環境ができています。通常だとトレーラーはトレーラー、大型は大型で集まりがちなのですが、あえて混合チームにすることで、より広い視野と経験の共有につながりました。毎月行う月例ミーティングでも、チーム単位で様々な課題について話し合えており、会社全体の底上げにもつながっています。

ーースカニアを導入された経緯について教えてください。

(松下氏) 会社の特色を出すために、ほかの会社と差別化できる車両を導入しようと考えまして。整備面での信頼性があり、サポート体制が充実しているということで、2016年に2台のスカニアを試験的に導入しました。地域に信頼できる整備拠点があり、手厚いサポートを受けられるのも魅力でした。

 

運用して効果を実感できたため、段階的にスカニアの台数を増やしました。現在は、所有する40台のうち10台がスカニアで、さらに2台が登録待ちの状態です。今後も増車することを考えていますし、スカニアは期待以上に、大きなメリットをもたらしてくれています。

採用面だけではなく環境対策にも大きく貢献

スカニアの導入により、具体的にどのような効果を得られたのでしょうか。さらに詳しくお聞きしました。

ーースカニアの導入による具体的なメリットをお聞かせください。

(松下氏) 最も大きな効果を実感しているのが採用面です。「スカニアがある会社で働きたい」という声をよく聞きますし、特に若手ドライバーの採用に大きく貢献しています。

 

当社では、スカニアを単なる車両としてではなく、人材育成の重要なツールとして位置付けています。会社への貢献を評価して、成長が著しい若手や長年勤めてきたベテランドライバーにスカニアを任せていますし、社内でもスカニアに乗ることが目標の一つになっています。スカニアの存在が、ドライバーのモチベーション向上にもつながっていると感じます。

ーー環境対策を重視されていますが、そうした場面でもスカニアは貢献できていますか?

(松下氏) 私自身、持続可能な社会づくりのリーダー育成を目指す「あいち環境塾」に参加し、学びを重ねてきたなかで、特に物流におけるCO2削減の重要性を強く認識しています。スカニアの場合、各車両のCO2排出量レポートが提供されるので、具体的な数値に基づいた環境対策を進めることができています。

 

また、欧州メーカーならではの厳しい環境基準に適合している点も高く評価しています。なぜなら、私たちがこれから目指すSBT(※)認定を取得するうえでも、重要な鍵を握るからです。

 

大手企業ではSBT認定の取得が広がっていますが、中小企業ではこれからの段階です。当社でも、サステナビリティレポートの作成など、環境への取り組みを社外に発信する準備を進めています。今後、お客様の環境への関心がよりいっそう高まることを見据えて、スカニアの環境性能を活かしながら、取り組みを強化していきたいと考えています。

 

※SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のこと

ーーいわゆる2024年問題への対応が迫られるなか、御社はどのように取り組まれていますか?

(松下氏) 拘束時間の管理を徹底し、適切な労務管理を行っています。管理部門がドライバーの運転時間や休憩取得状況を確認し、必要に応じて個別に対応してきたので、大きな混乱はありません。

 

むしろ、これをチャンスと捉えて積極的な展開を図っているところです。他社が断念せざるを得なかった路線の引き合いも増えていますし、スカニアの導入で採用面を強化できたことで、新規拠点の設置など攻めの戦略を取ることができています。

 

また、スカニアの優れた快適性がドライバーの疲労軽減にもつながっています。居住性の高さや運転のしやすさは、やはり大きなアドバンテージです。

スカニアに乗ること=会社の看板を背負うこと

ドライバーの上原氏と専徒氏はトレーラー乗務歴2年で、磯部氏は8年目でスカニアに乗りはじめたとのこと。それぞれが感じているスカニアの魅力について教えていただきました。

左からドライバーの磯部 吉宏氏、上原 拓也氏、専徒 剛氏

ーースーースカニアに対してどのようなイメージを持たれていましたか?

(磯部氏) 最初は、故障が多いのではないかと心配していました。けれど、実際に2年乗ってみて故障が全くなく、燃費も良いので驚いています。計画的な運行が求められるなかで、故障による運行停止が発生しないのはとても大きなメリットですね。

 

(上原氏) 外国のかっこいい車というイメージを持っていました。特に外観のデザイン性は、運転手の心をくすぐるものがありますね。

 

(専徒氏) 大きくて運転が難しそうなイメージでしたが、トレーラーの乗務経験が1年ほどの私でも安全に運転することができています。故障も少ないですし、燃費効率も優れていると感じます。

ーー実際に運転されてみて、どういった点に魅力を感じましたか?

(上原氏) ハンドルのデザインと機能性が秀逸ですね。ほかの車両と比べても、握り心地とデザイン性のバランスが優れています。また、坂道発進時は、ギアを一段下げた状態で走行できるので、急な坂道でも安定した発進ができています。

 

オイル漏れが極めて少ないのもスカニアの特長です。お客様の敷地でオイルが漏れると大きな問題になりかねないので、この点は非常に重要だと思います。

 

(専徒氏) 何より、快適性の高さを感じます。シートは細かく調整ができますし、長時間運転の疲労が大きく軽減されます。また、ミラーの視認性がとても良くて、トレーラーヘッドの操作時でも死角が少ないので安心して運転できます。

 

あとは、下り坂の制御性能も気に入っています。5段階の調整が可能で、荷物の特性に合わせて最適な設定を選べますし、ドライバーの負担が大幅に軽減されます。故障診断も便利ですよね。運転席のパネルで故障コードを読み取って、それを整備会社に伝えるだけで的確な修理を受けられるので助かっています。

(磯部氏) スカニアは、運転中の振動が少なくて静かな点が魅力です。ハンドルもブレが少ないですし、特に変速機の制御が素晴らしくて、軽くアクセルを踏むだけでスムーズな発進とシフトチェンジができます。

 

1,000回転から1,500回転、1,600回転の間で路面に合わせて最適なシフトチェンジをしてくれるんです。以前担当していた車両では左足でクラッチ操作をする必要がありましたが、その負担が減って安全確認にも余裕が生まれました。本当によく考えられた設計ですよね。

ーーチーム制を採用されているとお聞きしました。そのメリットを教えてください。

(磯部氏) トレーラーも大型車両も関係なく、ドライバー5人でチームを組んでいます。運転は基本的に一人作業ですが、チーム制にすることで相談しやすい環境になっているのではないでしょうか。特に新人ドライバーにとっては、気軽に相談できる仲間がいることが大きな安心感につながっています。

 

(専徒氏) スカニアの情報交換も、チーム内で活発に行われています。例えば、機能の使い方のコツを共有したり、より効率的な運転方法について話し合ったりしています。

 

(上原氏) スカニアに乗ることは、会社の看板を背負うことでもあります。チーム制によって、技術面だけではなく、接客マナーや安全運転についても、お互いに高め合える関係が築けています。

今後のスカニアに期待すること

最後に、今後スカニアに対して期待することについてうかがいました。

ーー今後、スカニアにどのようなことを期待しますか?

(上原氏) さらなるアップデートですね。例えば、トレーラーの切り離し作業もその一つです。なかなか難しいかもしれませんが、できれば片手で輪留めを操作できる自動化システムのようなものがあれば、作業効率がさらに向上するし、よりスカニアが魅力的になると思います。

 

(専徒氏) 長距離の場合、運転が好きな人でも負担を感じることがあるので、スカニアに限らず、トラックやトレーラーの自動運転技術の実用化に期待したいですね。実現すれば、より多くの人がドライバーという仕事に魅力を感じてくれるのではないでしょうか。

 

(磯部氏) もし可能なら、トレーラーを連結した際のロック確認をインジケーターで表示してもらえたら、さらに便利ですね。あとは、ハザードランプのスイッチをハンドル周りに設置してもらえると、操作性が大きく向上するのではと思っています。

 

(松下氏) スカニアはドライバーの目標となる存在ですし、お客様へのアピールポイントとしての役割にも大きな期待を寄せています。正直なところ、これだけ安定して性能を発揮しているので、大きな不満を挙げるのが難しいほどです。これからも環境性能や運転のしやすさを追求しながら、ドライバーの働きやすさを重視した進化を続けてほしいですね。会社の成長戦略に欠かせない要素として、今後も重要なパートナーであり続けてくれることを願っています。

※本記事に記載されているデータはお客様よりご提供いただいたものであり、トラックが関与する活動の種類に基づきます。トラックの燃料消費量は、業務内容、車両の構成、運転スタイル、道路のタイプや天候などの外的要因によって変動します。

【参考資料】

  • 平均燃費:3.16km/L
  • モデル:R410
  • アプリケーション:一般貨物輸送
  • 年間マイレージ:5.7万Km
  • 平均輸送量:1,400〜1,500 tons
  • 東邦運輸株式会社