日本

川﨑コンテナ運輸株式会社様

新モデルSUPER導入で輸送効率を最大化。期待以上の燃費向上を実現

スカニアの全シリーズを揃える川﨑コンテナ運輸。新型SUPERの導入により燃費効率が向上し、その優れた制動性能で重量物輸送のさらなる効率化を実現しています。

兵庫県神戸市に本社を構える川﨑コンテナ運輸株式会社は、神戸港を拠点に国際海上コンテナの陸上輸送を主軸とし、海と陸をつなぐ物流の要となる事業を展開してきました。特に同社が強みとするのは、重量物や長尺貨物の輸送です。

 

一般的なコンテナのサイズは20フィートや40フィートですが、同社では45フィートの大型コンテナも取り扱い、さらに高さや幅が規格を超えるオーバーゲージ貨物の輸送にも対応。200トン近い重量物や全長20メートルを超える貨物の輸送においても、豊富な実績を持っています。

 

同社が所有するトラック約100台のうち7割が海外製です。スカニア車両については、これまで販売された主要シリーズを揃えており、スカニアの新型パワートレインSUPERを搭載した車両(R420、R560)も新たに導入しました。

 

今回は、新型SUPER車両の性能や導入効果について、川﨑コンテナ運輸株式会社 代表取締役の川﨑 至公氏にお話をうかがいました。

新型SUPERで明らかな燃費効率の向上を実感

これまで数多くのスカニア車両を導入してきた川﨑コンテナ運輸が新型SUPERを採用した背景には、どのような考えがあったのでしょうか。

川﨑コンテナ運輸株式会社 代表取締役 川﨑 至公氏

ーースカニアをはじめ、海外製の車両を積極的に導入されているとうかがっています。

(川﨑氏) 当社は、ボルボやメルセデス、スカニアなど海外製の車両を多く所有しています。近年はスカニアを積極的に導入しており、P、G、R、S、V8シリーズといったほぼすべてのラインナップを網羅しています。今回、新たにSUPERの車両を導入したことで、スカニアの全シリーズが揃いました。

ーーSUPERの車両を導入されたきっかけを教えてください。

(川﨑氏) スカニアのNTGシリーズを使用していて、燃費のよさを高く評価していたのですが、さらに燃費効率の向上が見込めると聞いてSUPERを導入することにしました。燃費効率に優れたトラックを採用し続けてきましたが、さらに上を目指したいと考えたためです。欧州車の低回転・高トルク型エンジンは、国産車にはない大きな魅力だと思います。

ーー実際に導入されて感じておられる効果はありますか?

(川﨑氏) モニタリングで比較した結果、従来の車両と比べて、約10%もの燃費の向上が確認できました。正直なところ、期待していたよりも実際の導入効果は大きかったですね。

 

NTG車両で平均3.2km/Lだった燃費が、SUPERでは3.6~3.7km/Lまで向上しています。仮に月間の燃料費が50万円だとすると、約5万円相当のコスト削減につながる計算です。しかも、走れば走るほど、重量物を積めば積むほど、燃費効率の差は顕著になっていきます。これはSUPERの優れたエンジン熱効率と低回転域での高トルク特性により、エネルギーをより効率的に推進力に変換できるためです。SUPERの低回転・高トルク型エンジンは、大きなアドバンテージだと感じました。

ーー重量物の取り扱いが多い御社にとって、大きなメリットといえますね。

(川﨑氏) SUPERのエンジンなら、90km/hの速度を出すときに1,050~1,100回転程度で走れます。国産車だと同じ速度を出すのに1,500回転ほど必要になることもありますし、この違いは大きいですね。また、最大トルクが950Nmあり、より少ない回転数でも力強く走行できます。

 

エンジン特性としては、バルブタイミングをより精密に制御するようになって、オイル消費も少なくなりました。これまでの車両には、5万キロほど走るとオイル消費が徐々に減っていくという特性がありましたが、SUPERは最初からオイル消費が少なくなるように設定されています。

メンテナンスの負担が少なく、経済性も良好。長期間の活躍を期待

SUPERの制動性能は世界レベルの優秀さだと語る、川﨑氏。メンテナンスの面でもメリットを感じているといいます。

ーーSUPERの制動性能についてはいかがですか?

(川﨑氏) リターダーの効果が非常に高く、ブレーキパッドの摩耗が極めて少ないのが大きなメリットです。例えば、神戸から出発して新東名の大井松田まで走っても、ブレーキを踏むことがほとんどありません。トレーラーを引っ張っている場合、ヘッド全体がフロントブレーキの役割を果たしてくれます。

 

関東から来られる方は、新東名や東名の御殿場あたりの下り坂の長さを実感されていると思いますが、SUPERを搭載した車両はもちろん、スカニアの場合、ほとんどブレーキを踏まなくても安全に走行できます。ブレーキパッドの交換は15~20万キロと、他社と比べてインターバルが長いので、運用コストの面でも大きなメリットを感じています。

ーーメンテナンスの面で感じておられるメリットはありますか?

(川﨑氏) メンテナンス性も優れていますね。定期交換が必要なゴム類や油脂類を適切なタイミングで交換しておけば、大きな故障につながりにくくなりますし、オルタネーターやエアコンのコンプレッサーなどの交換も30分ほどで済みます。特にSUPERの車両では、エアフィルターの位置が変わってさらに確認しやすくなりました。キャビンを大きく前方に傾けられるため、部品にもスムーズにアクセスできます。

 

スカニアの場合、路上故障で走行不能になることがほとんどありません。お客様の荷物を運んでいる途中でトラックが故障して止まってしまうと、急いで代わりの車両を手配しなければならず、納期にも影響します。スカニアでは、そうした事態が起きたことはないですね。

ーー安全な走行を維持するうえでも、車両故障のリスク管理は欠かせませんね。

(川﨑氏) 欧州車の耐久性の高さについても期待しています。20年以上前に購入した欧州車もまだ現役ですし、スカニアも同様に20年は使えるでしょう。スカニア本国のメンテナンス記録を見ると、160万キロ程度走ってからはじめてオーバーホールするケースもあるようですが、当社の場合は80万キロ。まだまだ安心して使用できます。

 

耐久性の高さはコスト面だけでなく、環境面にも大きく貢献します。車両1台を作る際には多くの資源を使いますが、20年使うことができれば、10年で買い替える場合と比べて半分の資源で済みますよね。サステナビリティの観点からも、長寿命な車両には価値があると考えています。

スカニアの快適性がドライバーの負担軽減に貢献

スカニアならではの居住性や快適性の高さが、ドライバーの負担軽減にもつながっていると川﨑氏は考えます。

ーー居住性の面ではどのような特長がありますか?

(川﨑氏) SUPERの車両に限らずですが、スカニアには圧迫感がありませんし、エアサスやキャビンのサスペンション、シートのアブソーバーなどが快適性を高めています。一度乗ると、もう国産車には戻れなくなります。

 

空間の広さに加えて座高も高いので、背の高いドライバーでもラクに運転できます。また、シートの調整範囲が広く、体格に合わせて最適なドライビングポジションを取れるのも大きなメリットです。

ーー特に長距離運転時に気になる快適性についてはいかがですか?

(川﨑氏) 長距離輸送では車内で過ごす時間が増えますし、スリーパー(ベッド)の使い心地も非常に重要になります。スカニアの広いキャビンと快適な室内空間は、ドライバーの疲労軽減に大きく貢献してくれています。

 

また、衝突安全性の高さも重要なポイントです。キャビンがフロント部分から分離して後方へ逃げる構造になっているので、あってはならないことですが、万が一の事故の際も乗員を守る性能は世界一ではないかと思うほど信頼しています。運転席とフロントガラスの距離が国産車とは違いますし、安全性も高いと考えています。

デジタルプラットフォームの活用でドライバーのモチベーションがアップ

ーー車両データを活用した運行管理ポータル「My Scania」についてはいかがですか?

(川﨑氏) My Scaniaのモニタリングシステムを利用することで、ドライバーに対してより実践的な運転指導ができるようになりました。自分たちでデータを取らなくても、システムからフィードバックが得られるのでとても便利です。

 

モニタリングシステムが事前に警告を出してくれるので、急に車両が動かなくなるような事態はまずありません。今後は、さらにデジタルサービスの活用を進めていきたいと考えています。

ーー運転指導のお話がありましたが、具体的にどのようなシーンで活かされていますか?

(川﨑氏) 燃費向上に貢献する運転技術についても、モニタリングデータをもとに共有されます。それらの結果から、ドライバーには「アクセルをいっぱい踏む必要はない」などのアドバイスを伝えています。

 

同じ20トン積載でも、急勾配の坂道での走行性能に顕著な差が現れています。例えば兵庫県内の急な上り坂では、以前なら35km/hしか出なかったのにSUPERは45km/hと余裕を持ってで登れます。スカニアなら急いでアクセルを踏み込む必要がなく、DPF(Diesel Particulate Filter:ディーゼル微粒子捕集フィルター)もきれいに燃えるため、排気性能も維持できています。

ーー最後に、さまざまな課題を抱える物流業界に対し、スカニアはどのように貢献できるとお考えですか?

(川﨑氏) V8エンジンのようなパワフルなエンジンでも、従来の排ガス対策とは違ってより高効率な燃焼技術が採用されていますし、スカニアのそうした視点は素晴らしいと感じています。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもエネルギー効率がいいのですが、そのなかでもスカニアは特に優れています。

 

物流業界を超えた規模の大きな話にはなりますが、燃費効率の高さは地球温暖化対策にもつながります。化石燃料の消費削減にも貢献できますし、サステナビリティの観点でもスカニアのこれからに期待しています。

※本記事に記載されているデータはお客様よりご提供いただいたものであり、トラックが関与する活動の種類に基づきます。トラックの燃料消費量は、業務内容、車両の構成、運転スタイル、道路のタイプや天候などの外的要因によって変動します。

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【参考資料】

  • 平均燃費:3.6~3.7km/L(SUPER)
  • モデル:SUPER R420、R560
  • アプリケーション:国際海上コンテナ輸送、重量物・長大物輸送
  • 年間マイレージ:14.4万km
  • 平均輸送量:25.5 tons
  • 川﨑コンテナ運輸株式会社