株式会社大矢運送様
安全にクレーンを運び、建設現場を明るくする。スカニアがもたらす新たな価値
全国各地の建設現場に、移動式クレーンを中心とした重量物を輸送している「大矢運送」。精密かつ巨大なクレーンの部材を運ぶために求められる条件が、スカニアには揃っていました。
東京都江東区新木場に本社とヤードを持つ株式会社大矢運送は、1961年に江東区扇橋で設立されました。大型・小型トラックによる運送事業を営む傍ら、1967年には1台目の移動式クレーンを導入。現在では154台の移動式クレーンを保有し、事業全体のうち2割を運送事業が、8割をクレーン事業が占めています。
巨大なクレーンのなかには、公道を自走できないものも少なくありません。これらの組立、解体、運搬も自社で担うために、30台以上のトラックや「トラクター+トレーラー」のトレーラーセットを保有しています。V8エンジン搭載のスカニアトラクターをはじめて導入したのは、2015年のこと。現在、スカニアのトラクター7台、トラック1台を保有し、今後は新たに3台の納入が決まっています。
今回は、大矢運送 代表取締役 大矢 一彦氏と業務管理部長 執行役員CPO 向後 文彦氏に、導入の経緯やクレーンの部材運搬におけるスカニアの利点、スカニアに期待することについてお話をお聞きしました。
重く大きく、さらに繊細。スカニアなら馬力と安全性を両立できる
もともと数多くのトラクターやトレーラー、トラックを保有していた同社。スカニア導入の背景には、建設業界における巨大なクレーンならではの課題がありました。
株式会社大矢運送 代表取締役 大矢 一彦氏
ーー建設業界の運送について、抱えていた課題や背景をお聞かせください。
(向後氏) 建設現場では、クレーンが大型化すると重量が増します。また、コンパクト化されても重さ自体は変わらない、もしくは増えることも少なくありません。さらに、コンピュータでの制御が加わることで精密化も進み、繊細になってきています。機材が新しくなるたびに重量や寸法が変わるため、それらに合わせて運搬する車両を増やす必要があるのです。
また、都内の工事現場では通行止めを行うなど、時間が限られているケースもあります。一度に多くの機材を積むことができれば、運搬作業や組立・解体作業時間の節約にもつながります。多く積むとそれだけ重量がかかるため、車両側の馬力や強度も求められます。
そういった観点からも、それまで以上に馬力のある車両が必要となり、スカニアという選択肢が生まれました。
ーースカニアを導入した決め手はどこでしたか?
(向後氏) 相当数の荷物を運ぶことができ、荷物を下ろした帰りに高速道路を走ることができるという、二つの要素をあわせ持っていることが重要でした。そこで、自社の機材に合う車両として、社長にスカニアの導入をお願いしました。
(大矢氏)エアサスペンションも重要なポイントです。私たちが運ぶ部材は、大きく繊細なものばかり。その点、スカニアなら部材にも配慮して運ぶことができます。運び入れた先の立地に関しても、設置する場所が広くなかったり、アプローチに強い勾配があったりするため、細かな操縦が可能なスカニアが最適でした。
また、デザインがかっこいい点も魅力でしたね。そうした理由から、2015年に1台目を導入しました。
エントランスの模型。どれほど巨大なクレーンを取り扱っているかが伝わってくる。
ーー特に重視した部分を教えてください。
(向後氏) クレーンを運搬する業界に限られた話かもしれませんが、我々が求めているのは、高性能、高出力、エアサスです。特に馬力については、国産にはない部分だと感じます。
650ならより重量のある部材を積むことができますし、同じ重量を積んで運ぶ場合も、ほかの車両と比べてドライバーの負担が軽くなります。ブレーキ性能もよく、より安全性が高まる点もポイントでした。
国産車は直6(直列6気筒)エンジンが多いのですが、スカニアはすべてがV8エンジン。高馬力なので、国産車の倍くらいの燃費が必要なのではと思われるかもしれませんが、時間や運送できる量、人日などをトータルで見たとき、スカニアは“いい仕事”をします。平均燃費は2km/Lで、燃費効率を重視するヨーロッパの平均値の範囲内ですし、荷台が空の状態で高速を走るときなどには特に燃費のよさを実感できています。
また、NR装置がついていれば、より重量のある荷物を運ぶことができます。一方で、NR装置がなければ最高速度の90キロまで出せるので、1.5倍速く移動できますし、ドライバーの負担軽減も期待できます。NR装置があるものとないものの両方を用意することで、働き方改革にもつながりますし、必要に応じての使い分けもできるようになりました。
スペックへの安心感に加え、営業的にも会社の顔になる“看板車”
スカニアの導入後、どのようなメリットがもたらされたのでしょうか。具体的な効果についてお聞きしました。
ーースカニアの導入によるメリットはほかにありますか?
(大矢氏) お客様からの評判がとてもいいですね。弊社の“看板車”として、活躍してくれている実感があります。「大矢運送のトラクターといえばスカニア」というイメージも浸透させることができたのではないでしょうか。特に、両方にエアサスがついているスカニアを使用することで、精密な機械を安心・安全に運べるという営業的なアピールにもつながっていると感じます。
業務管理部長 執行役員CPO 向後 文彦氏
ーードライバーの皆さんの反応はいかがでしたか?
(向後氏) 外国の新車だったのではじめはプレッシャーを感じていたようですが、実際に運転したドライバーからは「最高にいい!」という感想があがっています。
下り坂での停車や、減速に関する使い勝手のよさも魅力とのこと。下り坂の速度制御を一定で行うことができるので、例えば40km/hで設定すると、速度がブレずにそのまま下っていきます。ブレーキを踏んで停車すると自動でサイドブレーキがかかるので、坂道での再発進でも気を使わずに済むようです。発進時は、どんどん引っ張り上げてくれる感覚があって、運転の負荷が減ったとの話も聞いています。
日本全国を走り回っていますが、キャビンが広くて静かで乗り心地がいいので長い時間運転しても疲れが少ないようです。ベッドの寝心地も素晴らしい、と。居住性が高く、ドライバーにとってやさしい車両である点は、特出したメリットだと感じます。
(大矢氏) 社内でも、スカニアに乗りたいという声が多くあがっています。今後も徐々に台数を増やしたいと考えています。
大矢運送のクレーンが活躍する現場の様子(写真提供:大矢運送)
ーースカニアの導入によるメリットはほかにありますか?
(大矢氏) お客様からの評判がとてもいいですね。弊社の“看板車”として、活躍してくれている実感があります。「大矢運送のトラクターといえばスカニア」というイメージも浸透させることができたのではないでしょうか。特に、両方にエアサスがついているスカニアを使用することで、精密な機械を安心・安全に運べるという営業的なアピールにもつながっていると感じます。
青空のようなブルーカラーで建設現場が明るい雰囲気に
最後に、スカニアを導入してからの印象を振り返りつつ、これからのスカニアに期待することをうかがいました。
ーーアピールツールとしてもスカニアが役立っているのですね。
(大矢氏) 白や黒、コンクリート色で占められた建設現場にグリフィンマークをつけた青いトラクターが入ると、見栄えがしますし、現場がパッと明るくなります。弊社のクレーンも含めて、暗いイメージを払拭するような雰囲気づくりにも貢献してくれているのではないでしょうか。現場の近隣の方が持つ印象もよいようです。
社内でも明るい挨拶を大切にしていますし、このような車両や機材などの活用を通じて、建設業界のイメージがさらにポジティブになるように変えていければと思っています。
ーーこれからのスカニアに期待することはありますか?
(向後氏) 16セットあるなかで、現在は3台のスカニアの納車待ちです。車両が増えることで、さらに運搬の機動性が増すと考えています。
(大矢氏) 私たちの業界はそれほど競合が多いわけではありませんが、やはり目玉になるようなアピールは不可欠だと思っています。スカニアの導入によって、自社を唯一無二の会社にしていかなければという意識がさらに高まっていますし、スカニアには販売網やシェアのさらなる拡大を期待しています。
※本記事に記載されているデータはお客様よりご提供いただいたものであり、トラックが関与する活動の種類に基づきます。トラックの燃料消費量は、業務内容、車両の構成、運転スタイル、道路のタイプや天候などの外的要因によって変動します。
大矢運送
- 積載物重量 : 47t
- モデル : R 650 A6x4 (V8 engine)
- アプリケーション:クレーン部材・特殊構造物運搬
- 年間マイレージ : 4万5000 Km
- 大矢運送ホームページ