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2019.06.14

都市交通をNXTレベルへ – Scaniaの新たなコンセプト

NXTの未来へようこそ!Scaniaの新たなバッテリー式電気自動運転車は、アーバン・コンセプト車として、朝夕の通勤から日中の商品輸送、夜間の廃棄物回収まで、柔軟な対応を可能にするデザインです。

 

大胆なイノベーションを起こすべく、Scaniaのエンジニアたちは、企業DNAとも言えるモジュラー・システムを新たなレベルへと押し上げ、都市におけるさまざまな課題に対応できるコンセプト車両を開発しました。

 

排出量の削減と混雑の緩和が求められるようになったことで、非常に多くの都市が交通の変化を模索しています。電気自動車と自動運転車両に関するテクノロジーやインフラストラクチャーの発展は、サステナブルな交通システムへの転換を実現する主要な手段となるでしょう。

 

都市交通の未来におけるヴィジョン

Scaniaの代表取締役社長 兼 CEOであるヘンリック・ヘンリクソンは、「NXTは、都市交通の未来におけるヴィジョンです。中には、まだ発展途上のテクノロジーもあります。しかし、実際にコンセプト車両を構築し、我々が達成しようとしている技術とアイデアを目に見える形で示すことが重要だと考えてきました」と述べています。「NXTは、すでに応用可能な最先端技術を取り入れつつ、2030年とそれ以降を見据えて設計されています」

 

NXTのフロントおよびリア・ドライブモジュールは、バスや配送トラック、廃棄物回収車にも取付けることができます。この革新的なコンセプト車のバスモジュールは、6月10日〜12日にストックホルムで開催された「UITP Global Public Transport Summit」で展示されました。

 

シェアリングと柔軟性の向上

交通エコシステムに真の変革をもたらすために、車両は重要な役割を果たしますが、環境もさらに整える必要があります。電気自動車および自動運転車両への需要に応えるためには、インフラストラクチャーをさらに発展させることが必要です。加えて、都市におけるヒトとモノの絶え間ない移動に個別に対応するのではなく、全体を見据え、首尾一貫した対応が求められます。

 

商用の輸送は、様々な形で都市交通の主流を形成してます。例えば、通勤や通学。またスーパーマーケットや飲食店へ食材を運搬し、薬を病院に届け、ごみを収集・処理しています。現在の都市の輸送フローは、人々が移動する朝のラッシュアワー時に商品が配送されるなど、最適化された状態であるとは言えません。一方、都市の中心部では、人々が眠りにつく夜間の輸送は大方禁止されています。

ヘンリクソンは、次のように述べています。「Scania自身が、都市の交通システムを作り直すことはできません。我々に出来ることは、変革のアイデアを提供することです。それが、NXTを支える思想であり、これまでとは異なる、サステナブルな方法で交通と車について考えることなのです」

 

より高次な自動化

公共交通とは、常に「シェアリング」を意味してきました。今こそ、これを次のレベルへと押し上げる必要があります。自動化がさらに進むことで、よりシンプルな形で、公共交通に更なる柔軟性を取り入れることが可能になります。

NXTプロジェクト・マネジャーのロバート・フェディーンは「これは新しくて、これまでとは非常に異なっています。しかし、柔軟なデザインとモジュール化されたユニットは、まさにScaniaのコアと呼べるものです」と述べています。

8メートルのバスモジュールは、一つのコンポジット・ユニットとして構築されており、大幅に軽量化しています。通常はデッド・スペースになってしまうフロア下には円筒形バッテリーが設置されており、重量配分の改善にもつながっています。8トン未満の低重量車で、現在のバッテリーによる走行距離は245キロメートルと推定されます。

「地道な改善を続けることが、Scaniaらしさなのです」とフェディーンは述べています。「我々は今、未来に向けて大きな一歩を踏み出しています。この車両は、今後も続く電気自動運転車の開発において、とても貴重な具体的データをもたらしてくれるでしょう」

 

 

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